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平和レポート2023.12月号         
 暮らしのなかの経済学入門

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「円安」とインフレ日本経済 - 暮らしを直撃

 現代と世界の21世紀 
  平和レポート2023.12

    
暮らしのなかの経済学入門
               
  「円安」とインフレ日本経済 ー 暮らしを直撃



 暮らしのなかの経済学入門 2023.12.01
 「円安」とインフレ日本経済ー暮らしを直撃
            資本論ワールド編集長 荒関孝志

 はじめに

 今月から読者のみなさんと、暮らしの経済を見つめて、日常生活から日本経済の深層を探りあててゆきます。
なお毎月の「平和憲法レポート」は、編集部でテーマが相談され執筆者をへて、紙面を封詰めし、郵便局から配送されます。のべ20人程度の人手をへて、あなたのご家庭に届けられています。
 さて、第一回のテーマは物価と賃金を皮切りに、「アベノミクス」でひと区切りし、第二回に連続してゆきます。このシリーズでは、筆者が日頃敬愛する「浜矩子、加谷珪一両先生」にも登場を頂き、読み物の奥行きとお得感を共有いただければ幸いです。


   物価高騰と停滞する賃金

 さて、今春の値上げラッシュ と急激な物価高騰で、安売り広告を見ながら財布とにらめっこの毎日です。
専門の物価情報では、政府の総務省家計調査や帝国データバンクなどがあり、特徴的なデータとしては、全国労働組合組織「連合」の「賃金レポート2023」です。消費者物価と実質賃金の推移を主要9ヶ国で比較したデータですが、1991年=100として、33年間の物価上昇と賃金を指数比較したものです。
  日本の物価と賃金はともに、100~110前後で長期停滞ですが、韓国が物価上昇では断トツ250、他の欧米諸国は、160~2Ⅰ0でした。また実質賃金指数では、韓国が190、他の欧米諸国が130~170と上昇しています。((「連合」図2‐2消費者物価、図2‐3実質賃金 参照)

 2-2 各国の消費者物価指数推移 1991年=100
 2-3 各国の実質賃金推移
 日本 : 太線
 韓国 アメリカ オーストラリア フランス ドイツ イタリア イギリス スウェーデン

         

       
  
 このように日本だけ停滞でしたが、昨年から今年23年では、30年ぶりの物価高騰です。コロナ禍の消費停滞から一転して、まさに物価狂乱へと心配させる勢いです。
 今年8月の値上げは、家庭用を中心とした飲食料品数で、累計3万品目にのぼり、全食品分野に及ぶ年3万品目超の値上げは、バブル崩壊以後の30年間で、過去最大の値上げラッシュ 。「生鮮食品除く食料」は9.2%の値上がりでした( 帝国データバンク調べ)。
 一方、今年の春闘は、東京商工リサ―チのアンケートでは「概ね3~5%の賃上げ」と報道されています。「新卒者の初任給の増額」では、大企業が38.7%、中小企業が21.4%で実施し、大企業が17.3ポイント上回り、格差がさらに広がっています。   
 また、「人手不足に対する企業の動向調査((帝国データバンク)では、正社員の人手不足が51.4%あり、非正社員では「飲食店」が85.2%、「旅館・ホテル」が78.0%との調査結果です。
 人手不足の労働過重にあっても、昨年今年とうち続く物価高で、賃上げは思うようには進んでいません。



  非正規労働とアンダークラス
    新しい産業革命‐生成AIの登場 

 一方、総務省「労働力調査」(2022年度)によると、非正規雇用で働く人は全国に約2、100万人。労働者の約37%、そのうち7割が女性です。日本の貧困率は15.7%、2千万人弱。また若者の2割が、不安定な雇用形態と低賃金で働く、新しい社会階級の「アンダークラス」が形成されています。
さらに新たな産業革命—生成AIによる労働環境の激変です。AI規制が緩い日本の現状で、会社側が余剰人員だと判断すれば、リストラに踏み切る可能性が広がってしまいます。


  食料自給率と輸入物価急上昇

 日本の経済は食料自給率の圧倒的低さと、資源・エネルギーの海外依存が顕著です。さらに近年の「円安」の加速で、ガソリン・ガスを筆頭に輸入物価の上昇は一段と厳しさを増しています。「円」の為替相場・1ドル=150円前後の値下がりで、貨幣価値の下落と諸物価高のインフレが蔓延しています。公共料金の値上げ、社会保険料の税負担など家計のやりくりは限界点に達しています。

  穀物自給率  1980~2020年 農林水産省
  穀物自給率       (単位%)
     年  1980   2000   2020 
 アメリカ  157 133 116
 ドイツ 81 126 103
 フランス 177 191 168
 イギリス 98 112 72
 日 本 33 28 28


 
  今年「国の予算」はどうでしょう?

 それでは、国民生活全般を国の一般会計予算から概観してみましょう。
 総額は過去最大の114兆3千億円。財源不足を賄う国債発行は予算
の31%で突出した状況です。
【歳出】
 社会保障36兆8千億、地方交付税16兆3千億、公共事業6兆、文教科学5兆4千億、防衛6兆7千億、防衛力強化3兆3千億・合計10兆円。予備費5兆、その他9兆1千億、国債費25兆2千億。

【歳入】
 所得税21兆、法人税14兆6千億、消費税23兆3千億、その他合算で19兆7千億、建設公債6兆5千億・特例公債29兆・合計35兆5千億― 22年度当初予算より4兆2千億の増額です。

 【主な論点】 
 ▽防衛費 前年予算より1兆4千億増で過去最大。新設の「防衛力強化資金」では、5年間43兆で防衛費を年間2兆円以上増加させるための財源を確保することになります。
 ▽国債費 国債や借入金などを合わせた政府の債務、いわゆる「国の借金」は、今年3月末の時点で1270兆円あまりと過去最大を更新。
 ▽「公共事業費」は、前年度とほぼ同じですが、全国各地で自然災害が頻発し、甚大な被害が生じています。また、国交省によれば、例えば橋梁において、緊急又は早期に措置すべきものが約5万9千橋。このうち、地方公共団体における修繕等の措置の着手率は半数未満に留まっています。(2022年度末時点)。


  どうなる赤字国債の将来
 
 高度経済成長期のインフラ整備が50年を経過し、全国的に改修時期を迎えています。また、社会保障給付は2021令和3年度に、年金や医療、介護などに138兆7千億円となり、過去最高の更新です。
 国の財政を右の朝日新聞による国債発行残高から見てみましょう。

     

 新聞報道によれば岸田内閣は、11月10日閣議決定の補正予算案13兆のうち7割を国債で賄うことを決定しました。年度末国債残高は1075兆円に達する見込みです。
 満期を迎えた国債は償還措置できず、国債の再発行で手当てします。
「借換債」は、過去に発行した国債の満期到来に伴う借換えです。国債発行総額の大半を占め、今年度の発行額は、前年度当初比+4.6兆円の増額となり157.6兆円です。
 財務省は、今年度予算案をもとに2026令和8年度までの予算試算を公表。国債の返済や利払いに充てる「国債費」を29兆8千億円と見込み歳出全体の4分の1に達します。     
 さてこのままで、果たして福祉・教育予算は大丈夫でしょうか?


  際限なき膨大な富の集積
      
累積する個人(家計)と法人の金融資産

 国家財政の借金が増加の一方で、日銀「資金循環統計」によれば、個人の保有する預金-株式-保険の資産は今年6月末時点で2115兆円に達しました。

    個人の金融資産     (兆円)
      *その他
      *保険・年金・定型保証
      *株式等
      *現金・預金
    

 同時に法人企業の内部留保にあたる利益剰余金は、
 昨年度554兆円、7.4%増加。11年連続で過去最高の内部留保。「円安」の進行で最終当期利益は過去最高の見通し。
 一方、輸入原油や石炭が高騰し、電気料金の値上げで、製造業や中小企業にとって死活問題となっています。


   アベノミクスの総括 (1)
    「円安」とインフレ日本経済  


 安倍晋三第2次内閣は2012年12月~20年9月で、黒田日銀総裁の任期は13年3月~23年4月です。この間、下のマネタリーベース(日銀が発行する通貨)が示すように激増の一途です。
 安倍黒田組の貨幣増発・金融垂れ流しにより貨幣価値が下落し、これが物価高を招くインフレ政策の最大要因です。当然賃金の実質購買力も減退し、「円安」で輸入物価は高騰します。
 さらに国債・借入金など「国の借金」総額は6月末時点1276兆円過去最大を更新。これを支え続けたのが、黒田日銀体制でした。
 暮らしと経済に深刻な危機を招く元凶の深層を探ります。           
 *次回に続く。(2023.12.1記)
 
 日本銀行 マネタリーベース (億円)
2010年1月  980,675
2011年1月 1,034,826
2013年1月 1,319,205  安倍第2次内閣
 2012.12-2020.9
2013年4月 1,495,975
2015年1月 2,753,859     黒田日銀総裁
 2013.3-2023.4
2017年1月 4,352,054
2020年1月 5,141,329
2020年8月 5,715,919
2022年1月 6,627,169
2023年3月 6,557,809
2023年10月 6,706,127  植田日銀総裁 2023.4~





 資本論ワールド 編集部 作業中

 浜-大日本帝国構想2023.04.12
     みえて来た21世紀版大日本帝国構想の全貌

1. アホノミクス大将の戦前回帰願望
2. 大日本帝国会社-国策会社-一億総活躍社会>一億総動員体制
3. 働き方改革-同一労働同一賃金論
4. 財政金融政策の基本的な枠組み-大日本帝国会社
5. 日本経済の窒息死
6. 事例-単一通貨ユーロ導入-不合理な選択-経済上でなく政治上の思惑
7. ユーロ圏の誕生
8. チーム・アホノミクスの野望-21世紀版大日本帝国の構築
9. ◆◆死の海と化す国債市場-国債市場と株式市場
10. 国債市場-資金循環統計。国債等の交際発行残高1092兆円

 名目GDP-日本の経済規模
(暦年ベースで546兆円(2018年3月発表「四半期別GDP速報)の2倍

11. 公的借金の保有者構成-日銀449兆円保有比率41.1%
12. 次に保険・年金基金21.6%、預金取扱機関16.8%
13. 2017暦年名目GDP:546.5兆円-日銀国債等保有残高割合82.2%
14. 国債市場の相場や利回り-日銀許容範囲となり、完全管理の支配市場
15. 2014年10月から、長期国債保有残高-年間約80兆円国債買い入れ
16. 国債買い入れ政策的枠組み
17. 現行政策フレーム:「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」2016年9月
18. 黒田東彦総裁-日銀執行部はチーム・アホノミクスの中央銀行支部
19. 短期金利:マイナス金利政策
20. 長期金利:
 「10年物国債金利が概ね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、
  長期国債の買入れを行う」方針化
 (長期国債の価格や利回り:他の金融資産の価値を規定する指標の位置づけ)

21. 日銀操作目標:長期国債の利回り概ね0%の水準-方式、操作目標の変更
22. 長期金利に関する支配力を一段と強化した-具体的な数値目標
23. 財政ファイナンス子会社化する日銀
24. 目標・目的として「デフレ脱却を目指して、
  消費者物価上昇率前年比2%の物価目標達成のために、国債の大量購入」
25. 本来の狙いは、財政ファイナンス-
  政府の借金を政府の言うなりに賄うため。
  政府のカネを振り出す打出の小槌の役割-本源的な政策目標-「異次元緩和」
26. 「政府と日銀は親会社と子会社みたいなもの」発言-黒田日銀の子会社化
27. 異次元緩和-財政ファイナンス-制度的に日銀を政府の子会社に
28. 財政ファイナンス-2つの証拠
29. (1)蜃気楼化する物価目標-破綻した「異次元緩和」口実
 →消費者物価上昇率安定的に2%越えまで「量的・質的金融緩和」継続p45
 →日銀の判断次第
30. (2)アフレ化・日銀政策員会-副総裁・雨宮正佳、若田部昌澄生粋のリフレ派
31. アフレ派-(本来レフレーション)
  -日銀が国債を大量に買う・財政ファイナンス-カネの洪水を作り出している
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32. 植田新日銀総裁→就任記者会見2023.04.10
今の大規模な金融緩和策について「継続することが適当だ」と述べ、当面、政策の枠組みの修正は考えていないという認識を示しました。


 専守防衛の破綻、軍備面でもより明確に 
 元内閣法制局長官が批判 
 自民党が「指揮統制機能」への攻撃提言を了承


2022年4月27日 06時00分
自民党本部


 自民党は26日の総務会で、外交・防衛の長期指針「国家安全保障戦略」など3文書改定に向けた政府への提言を了承した。相手国のミサイル発射拠点を攻撃する「敵基地攻撃能力」を改称した上で「指揮統制機能等」への攻撃も可能とする能力の保有や、国内総生産(GDP)比2%以上を念頭に置いた5年以内の防衛費増額などが柱。
 27日、岸田文雄首相に提出する。政府が年末に予定する3文書改定のたたき台となる。戦後の安保政策の転換につながる内容で、どこまで反映されるかが焦点になる。

 提言では、「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」に改称。攻撃対象を広げ、相手国領域内の軍司令部なども含むと受け取れる表現に変えた。防衛費は欧米の軍事同盟・北大西洋条約機構(NATO)が掲げるGDP比2%目標を示した上で、5年以内に必要な水準達成を目指すと明記した。

 安保上の他国の位置付けに関し、ロシアを「現実的な脅威」、中国を「重大な脅威」に引き上げた。北朝鮮を加えた3カ国が同時に軍事活動を活発化させる「複合事態」への備えが必要という主張も盛り込んだ。
 総務会では、出席者から現下の安保環境を理由に「専守防衛では限界がある」という意見が相次いだ。見直しには改憲が必要だとして、具体的な議論を国会の憲法審査会に委ねることを確認した。(川田篤志)


◆何と呼ぼうが問題は実態 他国の軍隊と何が違うのか
 元内閣法制局長官の阪田雅裕氏


 自民党がまとめた国家安全保障戦略など3文書改定の提言について、元内閣法制局長官の阪田雅裕弁護士に聞いた。(聞き手・曽田晋太郎)

 ―提言には「反撃能力」と称する敵基地攻撃能力の保有が盛り込まれた。

 「これまで政府は憲法上、論理的には『持てる』と言ってきたが、実際に『持つ』こととは次元の違う話だと理解してきた。日米安保条約などに基づき、米国が日本に代わって攻撃するという役割分担を維持するなら、なぜ自ら打撃力を保有しなければならないのかを説明する必要がある。名称については、何と呼ぼうが、問題は実態だ」

 ―相手国の「指揮統制機能等」も攻撃対象に含めたことの評価は。

 「指揮命令の中枢部まで破壊することになれば、敵国を全面的に攻撃することにほぼ等しく、他国の軍隊と何が違うのか。安保法制で集団的自衛権の行使を容認したことによって、専守防衛は大きく破綻したが、そのことが軍備の面でもより明確になるということではないか」

 ―対国内総生産(GDP)比2%を視野に防衛費増額も求める。

 「専守防衛は、日本は防衛に資する軍備だけでいいから攻撃的な兵器を持たないという『質』の問題であり、同時に『量』の問題でもあった。国民的な合意があった対GDP比1%から倍増させても、なお近隣諸国は日本を平和国家と評価してくれるかという話だ」

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